ニホンカモシカ
生態
ニホンカモシカは「特別天然記念物」に指定されています。カモシカはシカと異なり、1頭1頭が別々に生活する単独生活者です。群れができないわけでないが、せいぜい母親と子供の2頭連れか、繁殖期にメスとオスのペアーが見られる程度です。1頭と1頭が一定の場所に定着していて、その行動圏は長期間に渡って安定しています。(鳥獣害対策の手引き2002より)
富山県カモシカ管理計画(PDF)が県の方で作成されています。
富山県内の状況
富山県の分布
富山県の東部から西部の低山帯上部から亜高山帯などの森林に広く分布します。 近年、平野部での目撃例も多くあります。
被害形態
カモシカの被害は、不特定多数の個体によってではなく、その場所になわばりをつくり、餌場として利用している特定の個体によって引き起こされている可能性が高い。シカに比べると、特定の個体による被害だから一般的には、被害程度はあまり激しいものにはならないと考えらます。(鳥獣害対策の手引き2002より)
被害状況
カモシカの食害として、木本では茶やクワ、ユズ、リンゴ、ブドウなどの果樹、草本類ではワサビ、ソバ、大豆、インゲン、トウモロコシ、キャベツ、ハクサイ、ダイコンなどが報告されています。富山県内では、ナスやトマト、スイートコーン、ワサビや特に大豆などの食害が多いようです。
被害防除対策
被害対策
シカ同様に、防護柵の設置が有効。高さはシカほど高くする必要はなく、1m程度でよい。特に金網柵の効果が高いとのこと。漁網やネットによる柵も効果はあるが、カモシカが破損したり侵入したりすることがある。加害種がカモシカだけであるなら電気柵は不要である。(鳥獣害対策の手引き2002より)
富山県内の対策状況
富山県内ではごく一部、カモシカの被害防除柵を設置されている方がおられます。簡易の柵で高さ1mほどの網を囲うように設置されています。明らかにカモシカの被害を定期的に受ける山間部の畑は、柵を設ける必要があります。
費用対効果を考えるとともに、維持管理のしやすさなどいろいろ加味した上で、どのような柵を設置するのか考える必要がある。
ワイヤーを4段張ったもの。ワイヤーの下からの潜り込みを防止するため、起伏のある場所では、支柱の数を増やし凸凹に沿ってワイヤーを張る。
長所
・設置が容易である。
・被害防除効果は高い。
短所
・漏電防止のため、頻繁に草刈をする必要がある。
ネットを1m程度の高さに張り巡らせたもの。潜り込みを防ぐために地面に杭などでしっかりと固定する必要がある。地面に沿って外側に1m程度網を垂らすとより潜りこみにくくなる。
長所
・草刈などの維持管理が不要である。
・農業資材などをうまく利用することで安価に設置できる。
短所
・破損の可能性がある。
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