オクノカンスゲ(ウスイロオクノカンスゲ) (カヤツリグサ科 スゲ属)
薄色奥の寒菅  Carex foliosissima var. pallidivaginata

吉住釜下段(60付近の左斜面上)で見られる、高さ15cm〜30cmの多年草です。
本州(近畿地方以北)の林内などに分布します。

東北地方に多いということで、奥の寒菅となったようです。
ただ、ここで見られるものは基部の鞘の色が淡色ですので、ウスイロオクノカンスゲになると思います。

花は4〜5月。頂小穂は雄性で、側小穂は雌性です。匐枝を出しています。
雄小穂の鱗片は褐色で棍棒のように長く、ミヤマカンスゲもよく似ています。

しかし、果胞は先が急に尖り、開出するのが特徴です。
これは、カンスゲ(変種で日本海側に多いホソバカンスゲも)と同様ですが、このオクノカンスゲの鱗片は果胞よりずっと長いのです。
また、よく見るとオクノカンスゲの果胞は先に2つの歯のようなものがあります。
葉は幅5〜10mmで厚く、やや固いです。



2005年5月1日 果胞と鱗片の様子 果胞の先に2つの歯のようなものがあります。




2004年4月3日  花の様子




2004年4月3日 花の拡大