ノハナショウブ (アヤメ科 アヤメ属)
野花菖蒲 Iris ensata var. spontanea

水生庭園に植栽されている多年草です。
北海道、本州、四国、九州の湿地、やや湿った程度の草地に分布しています。

ハナショウブの原種で、これを基にいろいろ掛け合わせたりされています。

アヤメ、カキツバタ、ノハナショウブ、高い山にはヒオウギアヤメなどいくつかよく似たものがあります。

アヤメは比較的乾いた草原などにあり、外花被の内側に網目があるのですぐに分かります。
ヒオウギアヤメは、アヤメに似ていて高原や北地の湿原などにあり、内花被が無いかあっても小さいのです。
カキツバタは、湿原にあり、外花被の内側が白く、葉に中肋(真ん中の太い脈)がほとんどなく、触ってものっぺらぼうです。
ノハナショウブは、湿原ややや湿った程度の草原にあり、外花被の内側が黄色いのですが、黄色が目立たないこともあります。そのときは、葉の中肋を調べます。触ってみて中央に太い脈が目立つのがノハナショウブです。

花は、6〜7月。花茎の先に赤紫色の花をつけます。内花被は直立し、外花被は外側に垂れるのはアヤメと一緒ですが、網目はなく、黄色い斑紋があるだけです。


2004年6月6日 花の様子 外花被の真ん中に黄色い斑があります。



2004年6月6日 葉の中肋の様子 しっかりした葉の中央脈があります。