クリ(ブナ科 クリ属)
栗 Castanea crenata

散策路で時折見られる雌雄異花同株の落葉高木です。葉は互生しています。
北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島の丘陵・山地に分布しています。

「静かな 静かな 里の秋・・・・栗の実 煮ています いろりばた」
懐かしい歌とともに、家族と一緒に実を拾って茹でて食べた思い出がよみがえってくるのは、やはりもう歳なのでしょうかね。

花は6月。ムッとするぐらいに香りが強く、「これは虫媒花に違いない」って確信できる樹木ですね。
花序の下の方に雌花があり、総苞の中に3個の雌花があります。
花序の上の方は雄花で、たくさんの花が咲きます。

果は堅果で、その年の秋に熟し、イガイガの殻斗の中に3個ずつの堅果が入っているのが普通です。

葉はクヌギやアベマキに似た長楕円形で、鋸歯の先まで葉緑素が詰まっているのが特徴です。

冬にクリかどうか分からなくなったら、あなたはどうやって見わけますか。
確かなのは冬芽です。クヌギ、アベマキなどコナラ属の冬芽とちがって、まさにクリの実そっくりな冬芽なんです。
またその表情がかわいいのですね。

そしてクリタマバチの虫こぶが枝にできるのも大きな特徴ですが、これは無いこともありますので参考までにというところでしょう。


2004年6月6日 花の様子



2004年6月6日  雌花の様子。花序の下に雌花があります。総苞の中に3個の雌花があります。


2004年5月5日 葉の様子



2004年5月5日 鋸歯の様子 鋸歯の先まで葉緑素があります。