キキョウ(キキョウ科 キキョウ属)
桔梗 Platycodon grandiflorum


展示館前の広場、尾根の散策路の奥で見られる多年草です。(一部植栽)
北海道、本州、四国、九州の日当たりの良い草地に分布しています。

秋の七草ですが、7月にはもう咲き始めるのです。
このねいの里のキキョウは、展示館前の広場のものはたぶん植栽です。ですが、自然植生のものを植えたものだと聞きました。
尾根の散策路の奥で見られるものは、自然植生なのかどうかわかりません。
写真は広場のものです。

キキョウの花のおしべは、始め立ち上がっており葯は真白ですが、花粉を出し終わった後写真のように倒れてしまいます。
そしてこの後、雌しべが熟して先が5裂するのですが、これは自花受粉を防止するシステムの一つです。
このようにおしべが先に熟すものを雄性先熟、反対に雌しべが先に熟すものを雌性先熟と言います。
雌性先熟のものにはミズバショウ、キタコブシ、ホウノキなどがありますね。このねいの里にもミズバショウがありますので、また見てみましょうね。

このキキョウはどちらかというと草原性の植物で、日本では里山として人の手が入った場所などで長く生育してきました。
しかし、エネルギー革命以降里山が放置され、はたまた丘陵が大開発されるなど、キキョウの置かれた環境は大変です。
遠からず絶滅する危険性が極めて高い植物の一つとされています。

2003年7月13日 雄しべが終り、雌しべが熟し始めています。


2018年8月23日 自花受粉を避ける過程を見てみましょう。
雌しべを取り囲むように雄しべがついていますが、まだどちらも熟していません。



先に雄蕊が熟して雌しべの周りに花粉を付けます。この時雌しべはまだ熟していません。


雌しべが熟する頃には、横についていた花粉は運ばれた後です。