ケナシヤブデマリ (レンプクソウ科(旧スイカズラ科) ガマズミ属)

展示館前の広場の奥にある落葉低木〜小高木です。葉は対生しています。
母種のヤブデマリは、本州(太平洋側)、四国、九州に分布しますが、変種であるこのケナシヤブデマリは本州の日本海側(東北から北陸)に分布しています。

私たち北陸の人間は、普通にヤブデマリと呼んでいますが、太平洋側のヤブデマリに比べ、葉が広く毛がほとんどないのが特徴です。

オオバクロモジのところでも書きましたが、日本海側の植物は、葉が大きいものが結構あると思いませんか。
同種の植物でも日本海側のものは葉が大きく、場合によっては変種とされているものもあります。
ブナ、ヤマボウシ、キタコブシ、ヒロハゴマギ、ヒロハ(ケナシ)ヤブデマリなどがこれにあたります。
また、別種とされてはいますが、葉の大きい日本海側要素とされているものもあります。
オオバクロモジのほか、オオコメツツジなどがこれにあたります。またオオバツツジなどは日本海側要素の種です。

花は、5月〜6月枝先に散房花序を出し、花序の中心は両性花で、その周りを直径2、3cmの装飾花が取り囲みます。
この装飾花の裂片のうち1つが極端に小さいので他のものと区別できます。

果実は8〜10月に花序とともに赤くなり、完全に熟すと黒くなります。この黒色により花序や実熟な果実の赤がかえってめだちます。
これを二色効果と呼んでいますが、花序やまだ完全に熟していない果実の赤色が、ここに果実があるよと鳥に教える標識になっているのです。


2004年5月2日 花の様子 装飾花のうち1つだけ極端に小さいのです。