ミズキ (ミズキ科 ミズキ属)
水木 Cornus controversa

展示館前の広場などにある落葉高木です。葉は互生しています。
北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国、台湾、インドシナ、ヒマラヤの丘陵から山地に分布しています。

富山ではアカメノキと呼ぶ人もいます。冬芽が赤いからで、冬でもすぐに同定できる大事な特徴です。
また、日本のミズキ属で葉が互生なのはミズキだけですので、これも憶えておくと良いでしょう。

明るいところが大好きな陽樹で、ギャップができるとそこにいち早く侵入してくる樹木の一つです。
陽樹のミズキは、その枝ぶりからも「なるほどなあ」と分かります。
枝が段々になっており、それぞれの枝が光をめいっぱい浴びることができるようになっているのです。

花は5月〜6月、枝先に散房花序を出し、小さな白い花を密につけます。
果実は7月から10月に黒く熟します。この実を鳥がよく食べに来ています。そして未消化の果実を糞とともに排出し分布を広げているのです。

しかし、この黒い(青黒い)果実では鳥散布植物としては、果実が目立たないのではないでしょうか。
でも大丈夫なんです。果序の枝を見てください。黒い実のために赤色がよけいに目立っています。
この赤色が道しるべとなって鳥に「おいで、こっちだよ!」と言っているのです。
こういうのを二色効果と呼んでいるのですが、ほんとに植物もいろんなことをやっているんだなあと感心してしまいます。

注記:鳥には紫外線の波長も見える。ということは、黒い実というのは実は青黒く紫外線をよく反射するらしい。
とすると、紫外線をよく反射する色(青黒い色)と、反射しない色(赤色)の2色効果なのかもしれません。


2017年5月11日 花の様子


2004年5月22日 葉の様子



2004年5月22日 立ち姿です。枝が段々になっているのが分かりますか。ボケちゃってますね。。



2004年3月13日 枝と芽の様子。「赤芽の木」だなって思いますね。




2023年3月23日 ミズキの枝の切痕から滴る樹液 寒い時期と違ってあまり甘くありませんでした。