ミズバショウ (サトイモ科ミズバショウ属)
水芭蕉 Lysichiton camtschatcense

谷の水湿地に生えている、花茎の高さ20〜30cmの多年草です。(ねいの里のものは植栽です)
北海道、本州(兵庫以北)の湿地に分布しています。

白くて美しい仏炎苞が春を感じさせる花ですが、高山では初夏から咲き始めますので、夏の花のように思われています。
「夏がくれば思いだす・・・」の歌があまりにも有名だからでしょうか。
このねいの里では4月上、中旬に花が咲きます。

白色の仏炎苞で中に花序があり、たくさんの花が集まっているのですが、花被片は4個で花弁とガクの区別はありません。
おかしな花被片ですねえ。。。
そしてその真ん中に雌しべ1個、おしべが4個あるのですが、ザゼンソウと同じくこの植物は雌性先熟(雌しべが早く熟し、その後おしべが熟すこと)です。そして、下から花が咲きあがってくる無限花序でもあります。

この花に集まってくる昆虫はというと、甲虫やハエの仲間が多いようです。
ダーウィンシンドローム(雄性先熟ではハエの仲間やハナバチの仲間がよく訪花し、雌性先熟では甲虫類やスズメバチがよく訪花するという傾向。セオリーではなくシンドロームです。)からは、雌性先熟のものは甲虫というのは当てはまるのですが、ハエの仲間はちょっといただけません。これはどうしたことなのでしょうか。
この点はまったく分からないのですが、実はミズバショウは虫媒花だとも風媒花だとも言われているのです。かつては虫媒花であったのかもしれませんね。そのときのポリネーターは何だったのでしょうか?きっと甲虫の仲間だったのでは?このあたりはこれからの研究にゆだねることになるでしょう。

下の写真は雌しべがこれから熟していくところだと思われます。



2004年4月3日 葉はもう大きくなり始めています。でももっと大きくなります。

2004年4月3日 仏炎苞の中に花序が見えます。雌しべが下のほうから熟しつつあります。



2004年4月10日 
上の花の1週間後です。この日は花粉を出していました。
このときの白い苞の付き方を見てください。作為的に花序を取り出したのではありません。
雄性期はこうして苞が花序から離れているのです。これは風媒に都合が良さそうですネ。。