カキツバタ (アヤメ科 アヤメ属)
杜若・燕子花 Iris laevigata

水生庭園に植栽されている多年草です。
北海道、本州、四国、九州の湿地に分布していますが、最近はどこも少なくなっています。。

からごろも きつつなれにし つましあれば はるばるきたる たびをしぞおもふ

伊勢物語ですね。東下りの三河での和歌とされています。
この和歌は高校時代に、胸がきゅんとなるような思いとともに覚えてしまいましたが、
どんな花なのか分かったのは、実はずうっと後のことでした。近くにはハナショウブぐらいしかなかったので。

アヤメはどちらかというと乾地、ノハナショウブは湿地・やや湿った程度の所どちらでも、そしてこのカキツバタは湿地という分布です。
アヤメの仲間では一番湿性の植物なので、湿地がなくなるのと時期をあわせて少なくなった花なのですね。

外花被の中心部には白いスジが入ります。アヤメは文字通り文目(あやめ)が、
ノハナショウブは黄色いスジというふうに覚えておけばよいですね。
また、カキツバタの葉の中肋はほとんどめだちません。ノハナショウブは強い中肋がありますので、手ですうっと触って見てください。
見ているだけでは分かりにくいので、触ってみるのが一番ですから。


カキツバタの花の構造

カキツバタの花の構造2 雄しべ  雌しべに隠れています。


2004年5月16日 花の様子



2004年5月16日 オシベの様子



2004年5月8日 葉の様子。中肋がほとんど目立ちません。