イイギリ(ヤナギ科(旧イイギリ科) イイギリ属)

展示館前広場の奥の方にある、普通雌雄異株の落葉高木です。
本州、四国、九州、沖縄、中国、台湾と広く分布しています。
この木は、枝が車輪の軸のように横に大きく張り出すので、遠目でも、「ああ、イイギリだな」と分かります。

葉は大きく、桐に似ていて昔ご飯を包んだと言うことから、飯桐(イイギリ)になったようです。
この葉柄上部には大きな蜜腺が2つあるので、見てください。(写真)

花は5月〜6月。花弁のない円錐花序を垂らし、いい香りをさせています。
よく写真を注意してご覧下さい。花も終わったころに撮った写真ですが、この時期でないと良く分からなかったのですみません。
この花序はほとんどか雄花ですが、下の方には雄しべの中に若い果実が稔っています。
でも、イイギリは普通雌雄異株です。この「普通」というところが曲者でして、時としてこのように雌雄が雑居することもあるのです。
しかもよく見ると、枯れた雄しべの中に若い果実が出来ています。ということは雄花と両性花が雑居しているということなんです。
そして、さらに1年後の6月には、雄花ばかり目立つのです。年によっても違うということでしょうか。
植物の性表現は実に多様なんです。

果実は赤く8mm程度のものがたくさん房になって付きますが、冬も本番というころにまだ赤い実が残っているのを良く見かけることと思います。
もう果実が無くなったころ、鳥にとっては貴重な食料となっているようです。
これは、美味くないから最後まで残るのでしょう。食べてみると、甘味、酸味、油をほとんど感じない淡白な味でした。
(2005年12月12日に食べてみたところ、苦かったです)
糖、油脂などの栄養素が少ないため、鳥は最後まで残し、最後に何もなくなったころにやっと食べることになるのでしょう。

これも、イイギリの戦略の一つだと思われます。
1つの果実にエネルギーを余分に使わず、少しでもたくさんの果実を付けるという戦略なんです。質より量なんです。
そしておいしくないかわりに腐らずに長い間残こし、森に食べ物がなくなる頃になって鳥に食べてもらおうという戦略なのでしょう。



2005年6月4日 花盛りです。





2005年6月4日  
花を良く見ると、今年は雄花ばかりが目立ちます。
もちろんすべて調べたわけではありませんが。。
下の写真のものと同じ木だとは思えませんネ。





2004年6月6日  花の終わりごろ(この木は雄花と両性花が雑居しているのが分かります)
というわけで、この木は実つきが良くないのです。



2003年6月22日 葉と若い実の様子



2003年6月22日 腺点の様子(葉柄上部についています)




2003年11月15日 果実を割ったみた。中に黒ゴマ、白ゴマのような種子が80個程度入っています。



2005年12月12日 落下していた果実 食べると苦かったです