芝生管理で通常に使用する茎葉処理剤(除草剤)にも、ホルモン作用撹乱型というタイプがあるくらいですので、一般の人々が、ゴルフ場や公園の芝生管理に神経を尖らせるのも無理のないことだと思います。
しかし、そうでない以上、芝生管理についての我々の方向性は、
「自然」の恵みである芝草を維持管理していくうえで、いかにその対極にある「化学」物質の使用を減らしていくか、ということになっていくと考えられます。
業務で取り組むべき姿勢としては、具体的には、使用する材料を吟味して、
「なるべく自然界にある材料並びに自然の物から生成した比較的安全なものを使っていく」
というスタンスでしょう。
肥料のところで説明したように、現在はまだ化学肥料をゼロで管理することも、ましてや化学薬品の代表である除草剤を全く使用しないで管理することは困難であろうと考えられます。
ただ、ひとつだけ、はっきりと言っておかねばならないことがあります。
それは、その決定の前に、富山県で環境問題を意識した「減農薬・無農薬」管理を推し進めていくためにも、前項「減農薬・無農薬」で申し上げてきたように、関係者が総じてこの問題に真剣に取り組み、その中で皆がレベルアップして、さまざまなディスカッションを積み重ねていくことが不可欠ではなかろうか、ということです。
「農薬は恐いから」「環境ホルモンが含まれているから」「農薬を使わなくても管理はできるはずだ」
etc
これらの大きな声に後押しされて、行政サイドが「公園管理の無農薬化」を決定することはできるでしょう。
しかし、技術的に非力な自治体ではうまくいかないことが予測されます。農薬を使わないで、その代償として払わなければならない代替作業等への予算措置を含めた議論を経てならばよいのですが・・・。