軸刈りの弊害と光合成

軸刈りの弊害は、
「座ったときに痛い」といった直接的な害の他に
@成長の鈍化
A雑草の誘因   といったものがあります。

芝生も植物なので、光合成を通して成長します。
二酸化炭素を取り込んで葉緑素と光によってそれを酸素と炭水化物に変え、各種の器官を成長させていきます。
軸刈りによって多くの葉が失われると光合成ができませんし、直立茎に貯えた養分を有効に使うこともできません。
軸刈りされた部分は、そのシーズンは明らかに成長が落ち込みます。



雑草の種は、ほとんどのものが発芽に光(太陽光)を要求します。
頻繁に芝刈りがされている芝生は厚さ2〜3センチのぶ厚い絨毯(これを立毛層と言う)のようなもので、飛んできた雑草の種子は、
 
@
葉や茎にひっかかって、土に到達しない(発芽しない)
A
たとえ土の上に落下しても光が届かない(発芽しない)


高さ2〜3センチの立毛層を押し倒しても
地面が見えないほど密生した健康な芝生

という「好」条件が整っています。
つまり、ちゃんと芝刈りされた芝生は、それだけで雑草を寄せ付けにくいのです。
ですから意外にも、芝刈りによって健全な芝生を育てることが、雑草防止の第1歩なのです。



このような訳で芝刈りが必要なのです。芝刈りは「芝生管理の基本」です。
軸刈りになってしまうほど間隔が開いてしまうのは、もっての他です。
経験的に、標準的に必要な芝刈りの最低ラインは年間5回だと思います。

「軸刈りの状況」
 


密度が薄くなって、裸地化(地面が見える状態)し、
藻類が発生している最悪の状況