経費の問題が一番大きいと言えます。


私は平成元年に自宅の庭に芝生を植えました。
この程度の規模であっても、自然に生えてくる雑草を草むしりだけで取ることは大変です。

公園には数ヘクタールから多い所では10ヘクタールを超える芝生があります。
富山県内の各県立都市公園のs数千万円の予算で、雑草対策を草むしりだけに頼っていたら、経費的に今の管理レベルを保つことは絶対に不可能です。
私は以前から言っています。 「草むしりをしてはいけない」 と。
もちろん、費用対効果の意味でです。

草むしりは高くつく



 
飛んできた種が発芽するのです。


新しく芝生を植栽した場所にも、雑草が生えてくることがあります。
「植えた芝に種が入っていたのだ」というように言われ、施工者の責任が問われるケースもあるようです。
そういう事も、あるにはあるでしょうが、継続的に実施される維持管理の場面では、生えてくる雑草の大部分は、「飛んできた種が発芽する」ことによります。

草地になるメカニズム


これを防ぐには、飛来した雑草の種子が「発芽しないようにする」ことが、もっとも効果的です。
そのための除草剤も多く開発されています。
草が生えてこないようにする薬も「除草剤」と呼んでいます。これを正確には「土壌処理剤」と言います。
そういう意味で、「草むしり」をする代わりに除草剤を散布するのです。

しかし福祉公園では、安易に薬剤に頼ることのないように、最低限の散布で最大の効果が得られるように管理しています。
具体的には、土壌処理剤の9月下旬と3月の2回散布を基本に、
それでも発生したものについては、茎葉処理剤のスポット散布で対応しています。

土壌処理剤と茎葉処理剤




 
選択性薬剤という概念があります。


不思議な話ですが、コウライシバには無害だけれど、クローバーにかかったらイチコロという薬があります。
除草剤も風邪薬と同様にずいぶん研究されています。

腹痛の時に、風邪薬を飲んでも直りませんよね。
薬とは、たいてい、目的の生物の、ある特定の症状に限定して効くように開発されるのです。


薬剤の選択性





 
散布した所と、していない所を区別しているのです。


土壌処理剤は全面散布が基本です。uあたりに散布する薬量は、その薬剤によって決まっています。
たとえば、0.03g/uで散布すべき薬剤を散布中に、一度散布した部分へ、また散布してしまうと、そこには倍の0.06g/uが散布されたことになってしまいます。
 

規定の散布量


次の「殺菌剤・殺虫剤」に進む